舞台は1940年代のドイツ。ベルリンに住む4人の家族。軍人である父、(
デヴィッド・シューリス)は昇進を果たし、田舎に転勤。3階建ての大きいが、冷たさを感じる家に引っ越す。
8歳の少年、
ブルーノが自分の部屋から外を見ると、遠くに農場が見えた。何故か、男達全員が縞模様のパジャマを着ていて不思議に思うブルーノ。しかし、それは農場ではなく、ユダヤ人の強制収容所、そして父は、その強制収容所の所長になったのだった。
12歳の姉、グレーテル(
アンバー・ビーティー)は、家族の運転手を務めるコトラー中尉(
ルパート・フレンド)に心酔し、人形で溢れていた部屋は、ナチス関連のポスターや雑誌の切り抜きで溢れかえるようになる。
ある日、強制収容所の煙突から出る黒い煙と悪臭。「やつらは焼いても臭い」とか何とかつぶやいたコトラー中尉。ブルーノの母(
ヴェラ・ファーミガ)はそこで初めてユダヤ人が焼かれていることを知る。「ご存じかと・・・」とうろたえるコトラー中尉。
母もユダヤ人を差別しているのは間違いないのですが、さすがに大きなショックを受け、夫婦の仲は険悪になってしまいます。
特典映像を観たら、いくら何でも妻がそんなこと知らないのか、とやはり多くの人が疑問を抱いたそうです。しかし、夫がかつて強制収容所の所長だった女性に調査したところ、ほとんどの人が当時は全く知らなかったそうです。所長は絶対に家族に知られてはいけないと思っていたとのこと。
ひとりぼっちで、遊び相手もいなくなってしまったブルーノは、ある日、家の裏口を通り、林の中を走り、小川を何本か渡って「農場」に着きます。そこで、ユダヤの8歳の少年、
シュムールと出会います。彼はいつも収容所の端の死角になる、有刺鉄線のそばに一人でいて、そこで彼と友情を育んでいくブルーノ。
そんな中、こんな環境は子どもには良くない、ということで、父以外は別の場所に引っ越すことになります。せっかく友人になったシュムールと別れたくないブルーノは、フェンスの脇に穴を掘り、シュムールが持ってきた囚人服と帽子を着て、収容所に忍び込んでしまいます。
ナチスが作ったプロパガンダ用の映像、強制収容所の楽しげなユダヤ人達の様子を、父や部下達が見ていたのを盗み見ており、すっかり信用してしまった様子です。
そして、雷雨の中、突然、部屋を追い出され、行進させられるユダヤ人達。ブルーノとシュムールも一緒です。その後、服を脱げ、という命令。部屋に満杯に詰め込められる男達。「ただのシャワーさ」という一人の声。
もちろん、その後、何が起きたかは、書くまでもありますまい。小説と映画は最後の展開は違うそうですが、映画では、家で部下と会議中だった父が、犬を使ってブルーノの跡を追い、母と娘もずぶ濡れになりながら林の中を疾走。
屋根の上で、ガスマスクを付けた兵士の作業を終えた素振りを見るや、父は「ブルーノーーー」と大絶叫。その声を聞き、フェンスの脇でブルーノの脱ぎ捨てた服を抱きしめながら号泣する母。ものすごい衝撃的な映画でした。
それにしてもブルーノ役の
エイサ・バターフィールドとシュムール役の
ジャック・スキャンロンは、本当に素晴らしい。
日本語訳の本も出てるんですね。