イランの監督、
モフセン・マフマルバフの2001年の映画。ブログを始める前に一度観ている映画ですが、久しぶりに観たくなり、借りました。
監督は、実際にも親米のパーレビ王朝時代に、反体制活動家として活動し、15歳で逮捕されたという経歴を持っているそうです。
ストーリーは、カナダ在住のアフガニスタン出身の女性ジャーナリストが、アフガンに残った妹を救うため、祖国を訪れるという設定。妹は、20世紀最後の日食の日に自殺する、という内容の手紙を送ってきたため、それを止めるために訪れるのです。
で、このジャーナリストを演じている主人公の女性、彼女は実際にジャーナリスト、作家、映画制作者である、という
ニルファー・パズィラ(Nelofer Pazira)という人なのです。調べたらインド生まれのアフガン育ち、パキスタンに住んだ後、カナダに移住したらしいですね。
そして、映画の中で出てくる現地の医者を演じている黒人のアメリカ人、
ハッサン・タンタイ。名前からして、イスラム教徒と分かりますが、彼も実際にソ連と戦うためにアフガンに入った戦士、いわゆる
ムジャヒディンということです。
映画は、女性蔑視の激しいタリバン政権時代のアフガン、地雷で足を失った大勢の男達が義足をもらう場面や、イスラム教の神学校でコーランを覚えられず、放校させられる少年、結婚式を祝う団体に紛れ込み、カンダハールを目指す主人公、あるいは、前述したアメリカ黒人のムスリムなど、それぞれの場面で、アフガンの現実が描写されます。
しかし、重すぎることなく、そこはかとないユーモアに包まれて表現されているところが、個人的には大好きです。
イラン映画は、今まで何度かこのブログでも書いてますが、この監督の「サイクリスト」という映画、観てみたいなあ、と強く思います。僕も昔、サイクリストだったしね。サイクリストになったきっかけは、'70代半ば、少年キングに連載されていた、
「サイクル野郎」と、高校1年のクラスで、自転車野郎が大勢いて、
サイクルスポーツなんて雑誌を休み時間によく見ていた。その影響からですね。
でも
ぽすれんには「サイクリスト」、無いんだよねぇ、残念。
本作のストーリーや解説などは、
このサイトがよいでしょう。